SSH指定Ⅰ期5年目(2024年度)
「より良い未来創造に挑戦し続ける科学技術系グローバルリーダーの育成」を目指します。
SSH通信11号を発行しました。
今回の特集は
「課題研究への取組」
「第1回リケジョに学ぶ最新の科学(新日本科)」
の2本立てです。
MENU「8.SSH通信」から今までに発行したものもダウンロードできます。
10月15日(金)午後、SSH中間発表会の本選が開催され、1・2年生の各テーマごとに予選を経て選ばれたグループが自分たちの研究についてプレゼンテーションを行いました。
当日は、鹿児島大学と鹿屋体育大学の先生方10名をお招きし、生徒たちの発表を評価していただきました。
1年生は11のグループが武道館で発表を行いました。
どのグループもよく準備していて、大勢を前に堂々と発表に臨んでいました。また,科学的なデータに裏付けられた考察や、今後の発展性の期待できる内容が見られ、初めての課題研究とは思えぬ充実した発表会となりました。
写真下:本当は「緊張してました!でも、頑張りました!」とのこと。
写真下:質疑応答も頑張りました!
写真下:グッジョブコメントで発表者を評価!
発表後の講評では、鹿児島大学の尾崎先生から、「プレゼンテーションが上手なことも大切な力です。また、研究はなかなかうまくいかないことがほとんどだけれども、結果から次の研究へと繋がるのがいい研究です」とアドバイスをいただきました。
発表を聞いた生徒たちからは、「どれもすごく面白い発表だった」という意見が多く聞かれました。プレゼンの仕方や実験の仕方、評価の観点など、自分たちの今後の研究に資する発見があったようです。
2年生は10のグループがアリーナで発表しました。
直前の土日にプレゼンテーションの打ち合わせや練習を十分にしていた2年生。どのグループも自分たちで考えた研究テーマにしっかりと向き合っており、1年次以上に優れた研究発表が見られました。
写真下:どれも面白くてみんな聴き入ってしまいました!
発表後、鹿屋体育大学の前田先生からは、「多岐にわたる視点から物事を考えている点が高校生らしくて面白い。大人では考えられない着眼点が魅力です」といった講評をいただきました。
2年生からは、「今後の研究に活かしたい」という意欲的な感想が多く聞かれました。
スライド作りを含めたプレゼンの仕方、科学的な研究の手法や評価の観点など、まだまだ未熟な点も多々ありました。しかし、1・2年生は今回の発表会を経て、「もっといい研究にしたい」「もっと伝わる発表にしたい」という研究への思いが強まったようです。
次の発表会は2月4日(金)。今回の発表会での反省点や大学の先生方のアドバイスを参考に、より自分たちの研究を練り上げてほしいと思います。
全校体制で課題研究に取り組んでいる本校。
4月以来、1年生は指定されたテーマで基礎的な研究を、2年生は自分たちで設定したテーマで発展的な研究に取り組んでいます。夏季休業中を中心にどのグループも実験や検証を進めてきました。
これらの研究の進捗状況、現時点での成果を発表する中間発表会(予選)を、2年生は9月30日に、1年生は10月1日に行いました。
スライドを示しながら、各グループ工夫を凝らし発表。直前まで打ち合わせをしたり、細かく書き込みされた原稿を何度も読み返す様子がみられました。
写真下:発表の様子(2年生)
写真下:発表の様子(2年生)
写真下:発表の様子(1年生)
写真下:発表を聴いて、疑問点を質問する生徒(1年生)
写真下:留学生の森田健斗くん(中央)も熱心に耳を傾けていました。
生徒やチューターは、
「課題の設定」
「調査研究の立案と実施」
「情報収集と情報の評価」
「結果からの考察」
「発表」
の5項目について、4段階で他グループの発表を評価しました。
写真下:ルーブリック(評価基準)をもとに採点する生徒たち
その後、評価の集計から各分野の代表が決定しました。
代表は、10月15日に実施する本選に進み、今度は学年全体に向けて発表を行います。現在、スライドの手直しをするなどしてより良い発表ができるよう準備中です。
採取した巣板を学校に持ち帰りました。
巣箱から巣板を取り出します。
初めての体験なので恐る恐る包丁を入れていきます。
「遠心分離機でぐるぐる回さないんですか?」という
疑問をもっていた生徒もいましたが、遠心分離機で採
蜜するのはセイヨウミツバチです。
ニホンミツバチの巣はとても柔らかいので,そのまま
遠心分離機にかけることはできません。
慣れてきました。どんどん解体していきます。
大きい巣板がとれました。端から端までびっしりと
蜂蜜が詰まっています。ちなみにこのまま食べるこ
とができます。「巣蜜」と言います。
ニホンミツバチの巣蜜は大変貴重で、飼育しない限
り,口にできる機会はほとんどないでしょう。養蜂
家の特権です。
生徒たちは巣蜜を口にして
「あま〜い!」「おいし〜!」と嬉しそうに述べ
ながら何口もお代わりしていました。
試食が一段落したところで、蜂蜜を絞ります。
手で巣板を圧縮して蜜を絞り出し、布で濾します。
綺麗な色の蜂蜜です。
絞っても絞ってもまだまだ巣板があるので、
だんだん疲れて握力がなくなってきたようです。
交代しながら約一時間も絞り続けました。
瓶の大きさを比較するために牛乳を置いてみました。
約4.5kgもの蜂蜜が採れました!
都市養蜂でこんなに採れるなんて皆予想外でした。
ニホンミツバチを都市で養蜂する可能性にチャレンジ
するという研究が大きな成果を挙げたことを実感した
瞬間です。
大きな瓶には収まり切らず、小瓶にも入れました。
これでやっと全ての蜂蜜を絞り終えました。
ニホンミツバチの蜂蜜を食べた生徒たちの感想です。
「とても濃厚な味で、今まで食べた蜂蜜とは全然違
います」
「すごく甘いのに後味がさっぱりしていて美味しい
です」
「ほのかに酸味が感じられて好きな味です。」
巣箱を見守り続けてきたニホンミツバチ研究班の生
徒たちにとって,とても思い出に残る味になったこ
とでしょう。
蜂蜜を持ち帰った生徒が、パンケーキを焼いて
蜂蜜をあえた写真を送ってくれました。
今後も研究を続けていくためのエネルギーをミツ
バチにもらった1日でした。
収穫の秋が近づきつつありますが、
甲南高校が夏前から飼育してきたニホンミツバチも
採蜜の時期を迎えました。
養蜂家にとって最大のイベントです。
巣箱を置かせていただいている鹿児島大学農場で
防護服に着替えます。
巣箱の天板を外します。
インパクトドライバーにも慣れてきました。
スクレーパーという道具で天板を切り離すための
隙間を作ります。蜜蜂が巣板を天板にぶら下げて作っているため
それを切り離す必要があるのです。
スクレーパーで作った切り込みに細いワイヤーを通します。
ワイヤーを引くことで天板と巣板が切り離されるという仕組みです。
天板が切り離されました!
いよいよ蜂蜜の詰まった巣と対面します!
蜂蜜がパンパンに詰まっています!
素晴らしい光景です!美味しそう!
蜂蜜を絞るために、上段を切り離します。
2段目もいっぱいいっぱいに蜂蜜が詰まっていました!
切り離した瞬間に蜂蜜が滴り落ちるほどの量です。
一気に周囲に甘い匂いが漂います。
さて、長くなりましたので今回はここまでです。
次回は学校に持ち帰って、いよいよ蜂蜜を絞ります!
多くの方から「ミツバチは元気ですか?」と
ご質問をいただいています。
この夏をニホンミツバチたちはどう過ごしたのか?
早速鹿児島大学の農場へ向かいました。
ひと月前は夏野菜でにぎわっていた大学農場も
今はすっかり寂しくなっています。
まだまだ暑い日が続いてはいますが
季節は確実に秋に向かいつつあることを実感します。
巣門前にたくさん出てきていました!
巣門前に整列しています。
これは「扇風隊」とも言うべき役割の働きバチで
一生懸命に羽を動かし,巣の中に新鮮な空気を送り込んでいるものと
考えられています。貯めた蜜の糖度を上げるために空気の流れが必要なのです。
8月の災害級の大雨も耐え抜いた日本ミツバチ達。
順調にいけばもうすぐ撮蜜が行える時期になります。
去る8月4日(水)、兵庫県神戸市の神戸国際展示場で「SSH生徒研究発表大会」が開催されました。
これは、全国のSSH指定校・実績校の自然科学部が日頃の研究成果を通して交流するもので、本校からは自然科学部・丹羽 葵さん(2年)と田畑結衣さん(2年)が参加しました。
昨年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンライン開催でしたが、今年度は会場でポスター発表を行うことができました。
写真下:会場の様子
丹羽さんと田畑さんは、「離岸流の研究」をテーマに研究し、その成果をポスターを使って発表しました。
鹿児島をはじめ、全国の海岸で発生する水難事故の原因の一つとなっている離岸流について、独自のモデル実験を行い考察した結果を発表しました。
写真下:研究成果を発表する田畑さん(左)と丹羽さん
審査の結果、甲南高校自然科学部は「ポスター発表賞」を受賞しました。
(審査結果は文部科学省のホームページで確認することができます)
「令和3年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会表彰校の決定について」(文部科学省ホームページ)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2021/0820ssh.htm
丹羽さんと田畑さんは、全国の自然科学部の仲間たちと交流したり、発表を聴いたりと、大変充実した時間を過ごすことができたようです。
写真下:他校の発表に熱心に耳を傾ける丹羽さんと田畑さん
2人には今回の経験を通して、更なる高みを目指して欲しいです。
去る7月24日(土)〜25日(日)の2日間、鹿児島市立科学館にて「科学の祭典 鹿児島2021」が開催されました。
当日は新型コロナ感染症予防のために、事前参加申込をされた方のみが参加されました。
例年よりは参加者が少なかったとのことですが、それでも家族での参加が目立ちました。当日は27のブースが設営されました。
本校から、自然科学部の2年生3人及び物理担当教員3人(引率・指導)が参加し、「ペーパージャイロを飛ばそう!」というテーマでブースを開設。来場者と共に製作・実験を行いました。
写真下:子どもたちにアドバイスをする自然科学部の生徒
写真下:今回準備した「ペーパージャイロ」
紙を丸めてセロテープで固定しただけの円筒形の物体ですが、上手く投げると紙飛行機のように飛ばすことができます。来場した子どもたちだけでなく、保護者の皆さんも夢中で投げていました。
写真下:さあ、うまく飛ぶかな?
ペーパージャイロの作り方や投げ方を分かりやすく説明してくれた自然科学部の生徒たち。
子どもから大人まで楽しい交流ができ、とても貴重な経験ができた2日間でした。